帝国データバンクが10日に発表した「コンプライアンス違反企業の倒産動向調査」結果によると、2016年度のコンプライアンス違反倒産は、250件判明した。過去最多を記録した2015度(289件)からは13.5%減となったが、2012年度以降5年連続で200件以上となり、過去2番目の高水準となった。「コンプライアンス違反倒産」は、「粉飾決算」や「業法違反」、「脱税」などの違反が取材により判明した企業の倒産を定義している。

 なお、2017年度上半期(4月〜9月)では既に106件が判明、本年度も200件を超えるコンプライアンス違反倒産が発生する可能性が高い。全体的にみれば、リーマン・ショック以降のコンプラ違反倒産は増加基調にある。首都圏を中心に景気回復傾向が続き、ヒト・モノ・カネの流れが活発化するなかで、行き過ぎた企業活動が表面化しやすく、コンプライアンス面での歪みを生じさせている状況が続いているとみている。

2016年度のコンプライアンス違反倒産を違反類型別に分析すると、最も多かったのは不正経理や循環取引、融通手形などによって決算数値を過大(過少)に見せる「粉飾」で79 件(構成比31.6%)判明。3年振りに80件を割ったものの、中小企業を中心に、経営再建に伴う金融機関への返済条件変更やデューデリジェンスの過程で致命的な粉飾決算が発覚し、法的整理を余儀なくされるケースなどが相次いでいる。

 また、リーマン・ショックで財務が毀損し資金調達能力が限界となりながらも、各種金融政策によって支えられてきた企業が、昨今の景気回復局面で資金需要が旺盛となった結果、融通手形や不正リースなどからの調達に頼らざるを得ない現状も垣間見える。「粉飾」に次いで、「業法違反」が57件(構成比22.8%)、「資金使途不正」が41件(同16.4%)、「雇用」が7件で続いた。

 そのほか、事業外での不祥事や悪質な支払い遅延などを含む「その他」が49件判明し、過去最多となった。飲酒運転や薬物使用などへの厳罰化が進むなかで、役員による事業外での不祥事が多くみられたほか、複数の取引先から訴訟を起こされるなど、悪質な不払いの末に倒産する事例もあった。こうした、これまで類型化されなかった企業コンプライアンス問題が2016年度には目立ちはじめている。

 2016年度のコンプライアンス違反倒産を業種別にみると、最多は「サービス業」の67件。ここ2年で大幅な増加を見せている。同業種では、役員が会社の金を不正に流出・着服した「資金使途不正」のケースが多くみられた。また、「小売業」(29件)、「不動産業」(13件)も過去最多となった。不透明な資金流出の末、代表が海外へ逃亡するなど、実質的に一般消費者に大きな影響を与えたコンプラ倒産が多かったのも、2016年度の特徴と言える。

 同調査結果は↓
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p170906.pdf