東京商工リサーチが発表した「旅行業の業績、休廃業・解散」調査結果によると、旅行業1700社の2016年度の売上高合計は、2兆6241億3100万円で、前年度より609億300万円(2.2%)減少した。2016年4月の熊本地震に加え、8月に北海道・東北に甚大な被害をもたらした大型の台風10号の影響など、観光シーズンに相次ぐ天災も痛手となり、国内宿泊旅行を控える動きが強まった。

 観光庁の「宿泊旅行統計調査」結果(2017年6月公表)によると、2016年の国内延べ宿泊者数は4億9249万人泊で、前年比2.3%減少。外国人宿泊者数は同5.8%増の6939万人泊と過去最高を記録したが、日本人の宿泊者数が4億2310万人泊(3.5%減)と低迷、旅行業界の厳しい状況を裏付けた格好となった。また、2016年度の利益金合計は155億7100万円で、前年度より130億5900万円(45.6%減)減少した。

 1700社の売上高(2016年度)の内訳は、「1億円未満」が777社(構成比45.7%)と半数近くを占めた。次いで「1億〜5億円未満」が619社(同36.4%)、「5億〜10億円未満」が118社(同6.9%)。売上高10億円未満は1514社(同89.0%)と、中小・零細規模の業者が全体の約9割を占めた。一方、売上高100億円以上の34社の売上高合計は1兆9518億1300万円で、旅行業界全体の74.3%を占め、寡占化が進みつつある。

 2016年度の売上高、利益が判明した972社をみると、売上高が1億円未満の377社のうち、「赤字」が87社(構成比23.0%)で、約4社に1社が赤字。一方、50〜100億円未満の21社では、「赤字」は1社(同4.7%)、100億円以上の32社では3社(同9.3%)。50億円以上の53社では、「赤字」は4社(同7.5%)にとどまった。10億円未満の812社では「赤字」が147社(同18.1%)と約2割に達しており、規模格差が損益に影響している。

 2016年度の旅行業の休廃業・解散は、前年度より11社多い80社と、倒産件数(27社)の約3倍に達した。倒産は沈静化をみせるが、休廃業・解散は高止まり状態が続く。倒産と休廃業・解散の合計は2016年度で107社を数え、2013年度以降、毎年約100社が消滅している。2016年に休廃業・解散した80社を資本金別でみると、資本金1000万円未満は33社(構成比41.2%)、個人企業は4社(同5.0%)で、小・零細規模の企業が半数を占めた。

 同調査結果は↓
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20171004_01.html