気象庁によると、2017年8月の日照時間は合計83.7時間で、平年値より85.3 時間少なかった。8月の日照不足は、農作物への生育状況とともに、夏物商材の販売や屋外レジャーなどにも影響する。そこで、帝国データバンクが2017年8月の日照不足が家計消費支出に与える影響を試算した結果、日照時間が平年通りだった場合と比較すると、東京の家計消費支出は約189億2900万円減少した可能性があることが分かった。

 帝国データバンクが推計した昨年8月の東京都の家計消費支出は約1兆5700億円だったことから、今夏の長雨による日照不足で家計消費支出は約1.2%減少した可能性がある。支出項目別にみると、夏の日照時間や気温などの影響を受けたアイスクリームや飲料などの「飲食料」、屋外での日曜大工などに関連する「設備修繕」、また、宿泊料を含む「教養娯楽」、「理美容サービス・用品」などの減少が目立った。

 8月の東京の家計消費支出減少による経済波及効果を試算したところ、全国でマイナス約406億9900万円となった。これを産業別にみると、「対個人サービス」が最も大きなマイナスの影響を受け、以下、「商業」、「飲食料品製造」、「金属製品製造」、「金融・保険・不動産」が続いた。個人が長雨により外出を控えることで、関連するサービスや商品への売上減少による影響が表れる結果となった。

 地域別に波及効果をみると、「関東」が約351億9600万円のマイナス効果となり、全体の86.5%を占めた。以下、「近畿」が約13億3800万円、「中部」が約11億9700万円、「東北」が約9億3200万円と続いた。主に、「近畿」と「中部」は商業への影響が大きく、「東北」は飲食料品製造にマイナス効果が波及する。大消費地となる東京の日照時間の減少は、家計消費支出の抑制を通じて全国にマイナス効果が波及するとみられる。

 なお、「天候不順」(長雨、豪雨、大雪、冷夏、暖冬、台風、高温、低温、日照不足、雨不足など)の影響で倒産に至った企業は2013年1月以降で98件あった。98社を業種別にみると、「卸売業」が41件と全体の41.8%を占め、以下「サービス業」が17件(構成比17.3%)、「小売業」が10件(10.2%)となった。更に業種細分類別にみると、最も多かったのは天候が野菜の収穫高に直結する「野菜卸売業」の14件だった。

 同調査結果は↓
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p170902.pdf