東京商工リサーチが発表した「一般社団法人の新設法人調査」結果によると、2016年に設立された法人12万7829社のうち、「一般社団法人」は前年より8.0%(444社)増加の5996社で、2008年の調査開始以来、8年連続で過去最多を更新した。増加率は下落をたどるが、2016年は「合同会社」の増加率7.8%増を0.2ポイント上回り、主な法人格別で増加率トップとなり、新設法人に占める構成比も、4.7%に上昇した。

 2008年12月1日、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」が施行され、それまで「社団法人」は公益性が必要だったが、施行後の「一般社団法人」は公益性の有無にかかわらず、「一般社団法人」の法人格を取得できるようになった。また、事業の種類に制限はなく、設立に行政庁の許可も必要ない。任意団体や社会貢献を目的にした事業、同業者団体も「一般社団法人」として設立できる。

 まだ、「一般社団法人」は公益性のイメージが先行しているが、利益追求に問題はなく、大まかには利益(剰余金)の分配(配当)をできない点が「株式会社」と異なる。「一般社団法人」は、公益性が設立要件として不要で手続きが容易になった。敷居が低くなり、法人格を持たない任意団体が信用を高めるために法人格を取得することも可能で、多くのメリットを持つだけに、今後の推移が注目される。

 産業別では、金融・保険業と運輸業を除く8産業で増加。増加率では、「農・林・漁・鉱業」が前年比86.4%増でトップ。2016年の農・林・漁・鉱業の新設法人41社のうち、7割を占める29社(構成比70.7%)が農業関連で、一部は農業と福祉を連携した「一般社団法人」もみられた。次いで、「小売業」が33.3%増、「製造業」の27.3%増の順。構成比では、社会貢献事業などを含む「サービス業他」が78.1%と圧倒的だった。

 業種別では、社会貢献や業界団体などを含む「他のサービス業」が36.4%を占めて最多、次いで「学術研究、専門・技術サービス業」(構成比22.7%)。上位2業種で約6割を占め、3位に「医療・福祉事業」が入るなど、他の法人格とは一線を画す業種が活用している。設立数200社以上で、増加率トップは「医療、福祉事業」の17.0%増。2015年も同36.0%増と高い増加率を示しており、医療・福祉分野の市場拡大を裏付けた格好となった。

 同調査結果は↓
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20170904_01.html