帝国データバンクが発表した「ワイン製造業者の経営実態調査」結果によると、ワイン醸造を行うワインメーカーは全国に206社判明した。本社所在地別にみると、最多は「山梨県」の69社(構成比33.5%)。なかでも、「ワインリゾート構想」などで特にワイン産業が集積している「甲州市」(33社)・「笛吹市」(14社)・「山梨市」(12社)の3市に集中している。以下、「長野県」の19社(同9.2%)、「北海道」の18社(同8.7%)と続いた。

 山梨県の「甲州」、長野県の「メルロー」、北海道の「ピノ・ノワール」など、上位3道県はいずれも国内有数のブドウ栽培地・銘醸地でもあり、こうした高品質なブドウ栽培・ワイン醸造に適した環境のほか、「ワイン特区」などの行政による支援が、ワイナリーの集積に影響している。「ワイン特区」は2002年に募集が始まった構造改革特区の一つ。果実酒では区域内の原料を使用すれば最低製造数量制限(6kl)が2klまで緩和される。

 ワインメーカー206社のうち、「果実酒醸造業」を主業とし、葡萄酒醸造を専門に行っている「ワイナリー」138社を設立年代別にみると、最多は「2000年代」の23社(構成比16.7%)で、「2010年代」の13社(同9.4%)と合わせると、2000年以降に設立されたワイナリーが全体の約4分の1を占める。2000年代に全国へ拡大した「ワイン特区」制度が、ワイナリーの新規参入を後押ししていることも要因の一つに挙げられる。

 従業員数別にみると、最も多かったのは「5人以下」の75社(構成比54.3%)。次いで、「6人〜20人」の44社(同31.9%)が続き、従業員数20人以下の小規模ワイナリーが全体の86.2%を占めた。これらの小規模ワイナリーの中には、自社畑に特化し、ブドウ栽培・醸造を一貫して行うドメーヌ型のワイナリーや、家族経営による極小規模なワイナリーもみられた。一方、従業員数が51人以上のワイナリーは5社(同3.6%)にとどまる。

 売上高規模別にみると、最も多かったのは「5000万円未満」の50社(構成比36.2%)。「5000万〜1億円未満」の28社(同20.3%)と合わせると、全体で約6割のワイナリーが売上高1億円未満となった。また、ワイナリーの売上高動向をみると、2016年は「増収」となったワイナリーが45.5%を占めた。近年のワインブームを背景に日本ワインなどの増産を行ったことで、増収となったワイナリーが多かった。

 ワイナリーの収益動向をみると、2016年で最も多かったのは「増益」の57.1%。一方、「減益」となったワイナリーは30.6%と約3割となり、2年連続で赤字を計上した「赤字」のワイナリーも10.2%と約1割にのぼる。こうしたワイナリーでは、初期投資負担のほか、「日本ワイン」人気に伴う国産ブドウの調達価格上昇により、利益の確保が難しくなっているケースがみられた。また、低価格帯のテーブルワインなどを主力とするワイナリーの中には、安価な輸入ワインとの競争で利益が圧迫されているケースもみられた。

 同調査結果は↓
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p170901.pdf