矢野経済研究所が発表した「デジタル印刷市場に関する調査」結果によると、2015年度のデジタル印刷市場規模(事業者売上高ベース、以下同)は、前年度比8.7%増の3297億4500万円となった。この大幅拡大の要因は、マイナンバー制度施行に伴う需要拡大によるところが大きい。具体的には2015年10月から始まったマイナンバー通知に関するDPS案件と送付後に発生したマイナンバー収集に関するPBO案件がそれに当たる。

 DPS(データプリントサービス)は、請求書や明細書等の通知物制作において、データ処理から印刷、封入封緘、発送(局出し)まで一連の作業を一括して請け負うサービス。また、PBO(ビジネスプロセスアウトソーシング)は、通常企業内部にて行われている主として間接業務に関して、発注企業から業務委託を受けて代行する、主にシステム運用や通知関連業務に付随した入力業務、コンタクト業務等を含めたサービスをいう。

 マイナンバー通知書は当然ながら日本国内の全世帯に送付されたため、2015年度は、これまでにない大規模アウトソーシング需要となった。またPOD市場においても、オフィスコンビニ、フォトブックの両市場が牽引し、増加推移となっている。POD(プリントオンデマンド)は、通常企業内部にて行われている主として間接業務に関して、発注企業から業務委託を受けて代行するサービスをいう。

 しかし、2016 年度のデジタル市場規模は、その通知案件の終了に加え、収集案件も前年度に比べると受注が減少したことにより、前年度比▲2.1%の3229億2000万円と減少している。POD市場の増加やDPS市場における金融業からの受注拡大により、2014年度と比較すると市場規模は拡大しているものの、それら拡大した需要がマイナンバー制度関連案件の穴を埋めるまでには至らなかった。

 2017年度のデジタル市場規模は前年度比1.4%増の3273億7000万円の見込み。POD市場では、その他の分野では苦戦が続いているものの、フォトブック市場、オフィスコンビニ市場では更なる拡大が見込まれるため、見通しは比較的明るい。しかし、最大分野であるDPS市場は、現状マイナンバー需要の今後1〜2年の成長率は落ち着くものとみられるため、総じてデジタル印刷市場の今後1〜2年の成長速度は鈍化する見通し。

 同調査結果は↓
https://www.yano.co.jp/press/pdf/1724.pdf