帝国データバンクが発表した「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査」結果(有効回答数1万142社)によると、自社における事業継続計画の策定状況については、「策定している」と回答した企業は14.3%にとどまった。また、「現在、策定中」(7.3%)、「策定を検討している」(22.1%)を合わせても43.7%と半数に満たず、BCPの策定が進んでいない実態が浮き彫りとなった。

 BCPを「策定している」企業を業界別にみると、「金融」が最も多く43.8%、次いで、「農・林・水産」が24.1%で2割を超えていた。他方、「不動産」は9.5%と1割を下回っていた。また、従業員数別では、従業員数が「5人以下」の企業でBCPを策定している割合は4.2%となっており、「1000人超」の企業(46.5%)と比べて10 分の1にとどまるなど、業界や従業員数により策定状況は大きく異なっている。

 BCPを「策定している・現在策定中・検討している」と回答した企業4427社が事業の継続が困難になると想定しているリスク(複数回答)については、地震や風水害、噴火などの「自然災害」が71.8%となり、突出して多かった。次いで、「情報セキュリティ上のリスク」(39.1%)、「設備の故障」(38.8%)、「火災・爆発事故」(36.7%)、「自社業務管理システムの不具合・故障」(36.1%)が上位に挙げられた。

 また上記の4427社が、事業が中断するリスクに備えて実施・検討している内容(複数回答)については、「従業員の安否確認手段の整備」が70.6%でトップ、次いで、「情報システムのバックアップ」(63.9%)が6割を超えたほか、建物の耐震補強や設備の転倒・落下対策などの「事業所の安全性確保」(45.2%)、「調達先・仕入先の分散」(33.0%)、「災害保険への加入」(32.9%)が続き、いずれも3割超となった。

 BCPを策定していると回答した企業1448社の策定による効果(複数回答)は、「業務の定型化・マニュアル化が進んだ」が41.4%でトップ、次いで、「事業の優先順位が明確になった」(36.9%)、「取引先からの信頼が高まった」(25.7%)、「業務の改善・効率化につながった」(25.6%)と続いた。特に、小規模企業では「事業の優先順位が明確になった」が44.3%と、BCP策定を通じて自社の事業内容を捉えなおす契機になっている。

 BCPを「策定していない」企業4697社のその理由(複数回答)については、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」が45.1%でトップ。また、「策定する人材を確保できない」(30.3%)や「策定する時間を確保できない」(24.7%)など、人材や時間の不足によってBCPを策定できないと考えている企業も多い様子が浮き彫りとなっている。

 同調査結果は↓
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p170602.pdf