東京商工会議所が4月に実施した「会員企業の防災対策に関する2017年調査」結果(有効回答数1539社)によると、帰宅困難者対策条例の認知度は64.4%で、過去3回の調査から大きな変動は見られず、6割台を維持している。認知度を従業員規模別にみると、「300人以上」の91.8%から「10〜29人」の43.8%まで、従業員規模が小さくなるほど低下しており、特に中小企業に向けたさらなる周知促進が求められる。

 条例の努力義務である「全従業員分の3日以上分の備蓄」を行っている企業は、「飲料水」が50.1%、「食料品」が46.2%、「毛布」が58.4%とほぼ半数にとどまり、「災害用トイレ」は34.5%と多品目よりも備蓄割合が低いが、過去の調査と比べて状況は変わらない。また、都が呼びかけている「外部の帰宅困難者向けの10%余分の備蓄」をしている企業は19%と2割に届いておらず進んでいない。

 従業員に対する安否確認手段(複数回答)は、「メール」(56.0%)が約6割、「通話」(53.1%)が約5割。災害時の安否確認に有効な「災害用伝言サービス」(33.3%)や「独自に整備した安否確認システム」(26.9%)はそれぞれ約3割にとどまる。家族との安否確認手段として、「災害用伝言サービス等、通話以外の手段を確保するよう従業員に周知している」企業は39.0%にとどまり、約6割の企業が有効な手段を周知していない。

 首都直下地震時に必要な行き場のない帰宅困難者の一時滞在施設としての協力では、外部の帰宅困難者を受け入れる可能性がある企業は7.7%にとどまる。また、企業において「自助・共助」の取組みを積極的に推進するリーダーとして活動できる従業員の育成が課題となっているなか、「防災関連の資格を取得している従業員がいる」企業は11.6%と約1割にとどまる。一方で、「今後資格取得を奨励したい」と回答した企業は64.0%にのぼる。

 首都直下地震の被害想定の認知度は48.9%と約半数だった。また、荒川右岸低地氾濫の被害想定の認知度は30.4%と、首都直下地震の認知度よりも大幅に低下。水害に備えて自社で行っている事前対策(複数回答)は、「備蓄の確保」(55.2%)と「データや書類等のバックアップ」(43.6%)が多いが、4社に1社は「特に対策はしていない」(23.5%)。なお、事業継続計画(BCP)の策定率は27.4%で低水準にとどまっている。

 同調査結果の詳細は↓
http://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=102655