厚生労働省がこのほど発表した職場における熱中症による死傷災害の発生状況によると、2007年から2016年の過去10年間の職場での熱中症による死亡者数及び4日以上休業した業務上疾病者の数の合計(「死傷者数」)は、2010年に656人と最多で、その後も400〜500人台で推移している。2016年の死亡者数は12人と前年に比べて17人減少したものの、死傷者数は462人(前年464人)と、依然として高止まりの状態にある。

 2012年から2016年の過去5年間の業種別の熱中症による死傷者数をみると、「建設業」が664人(うち死亡者数44人)で最も多く、次いで「製造業」が449人(同16人)と多く発生しており、全体の約5割がこれらの業種で発生。以下、「運送業」(296人、同4人)、「警備業」(169人、同11人)と続く。2016年の業種別の死亡者数でみても、「建設業」が7人と全体(12人)の約6割を占めて最も多い。

 過去5年間の死傷者数の月別発生状況をみると、全体の9割が「7月」(935人、うち死亡者数43人)及び「8月」(1117人、同50人)に発生している。また、5年間の時間帯別発生状況では、「14時台」(283人、同17人)、「15時台」(355人、同11人)、「16時台」(286人、同20人)に多く発生している。なお、日中の作業終了後に帰宅してから体調が悪化して病院に搬送されるケースも散見されるという。

 2016年に熱中症で死亡した12人の状況をみると、WBGT値(暑さ指数)の測定を行っていなかった(12人)、計画的な熱への順化期間が設定されていなかった(9人)、事業者による水分及び塩分の準備がなされていなかった(8人)、健康診断を行っていなかった(5人)など、基本的な対策が取られていなかった。WBGT値とは、気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数。

 なお、今年の夏は、全国的に 気温が平年並みか平年より高くなることが見込まれ、熱中症による労働災害が多く発生することが懸念されている。厚労省では、2017年より新たに、職場における熱中症予防対策として、5月1日から9月30日まで「STOP! 熱中症 クールワークキャンペーン」を実施し、労働災害防止団体などとの連携や関係業界団体などへの関連情報の周知、関連情報の提供などの取組みを重点的に推進している。

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http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000166428.html