経済産業省は8月31日、中小企業の事業承継・再編の促進のため中小企業のM&A(親族外承継)への優遇措置の創設などを盛り込んだ2018年度税制改正要望をまとめ公表した。今回の要望は大きく分けて、第4次産業革命に対応した「攻めの経営・投資」の強化、中小企業の生産性向上・地域経済の活性化、エネルギーの安定供給、車体課税の抜本見直し、申告納税手続きの環境整備———の5項目となっている。

 特に、中小企業の生産性向上・地域経済活性化では、中小企業の事業承継・再編の促進のため、中小企業経営者の次世代経営者への引継ぎを支援する税制措置の創設・拡充を盛り込んだ。具体的には、(1)親族や従業員等に株式等を贈与・相続する場合、(2)他企業や親族外経営者等に経営を引き継ぐ場合、(3)ファンドを経由して事業承継を行う場合など、経営を引き継ぐ際の形態に応じて、税負担の軽減措置を講ずることを求めている。

 また、中小企業・小規模事業者の再編・統合等に係る税負担の軽減措置の創設を要望している。同軽減措置の創設は、多くの中小企業・小規模事業者に影響を与えるものとして注目されている。近年、後継者不在のため事業承継が行えない、投資余力がないために事業継続をためらうといった課題を抱えるケースで、売却やM&Aにより経営資源や事業の再編・統合を図る手法が増えている。

 こうした多様な手法に対してインセンティブを与えることにより、次世代への経営引継ぎを加速させることが必要不可欠として、(1)株式、事業の譲渡益に係る税負担の軽減、(2)不動産の移転及び地上権等の設定に係る登録免許税の軽減の創設、(3)不動産の所有権移転に係る不動産取得税の軽減の創設、(4)一定の要件を満たすファンドから出資を受けた際も中小企業関連の優遇税制の適用が可能とする要件緩和、などを要望している。

 中小企業庁の委託調査(2016年11月)によると、中規模法人の3分の1(33.4%)が親族外承継を行っており、後継者不足の中小企業について外部人材等に対する事業承継を促進することも重要であるとの認識が強まっている。また、親族外承継は近年増加傾向にあり、直近5年未満で経営者になった者のうち、約6割(65.7%)が親族外承継となっているなか、今回の要望に期待が寄せられている。

 経産省の税制改正要望は↓
http://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2018/zeisei_r/pdf/1_02.pdf