国税庁はこのほど、事前照会・同業者団体等からの照会に対する文書回答の事務処理手続等の一部改正(事務運営指針)を公表し、2011年以来、6年ぶりに文書回答手続きを見直し、7月から適用することを明らかにした。文書回答は、納税者からの個別の取引等に係る税務上の取扱いについての照会に対して、文書で回答するもので、同様の取引等を行う他の納税者の予測可能性を高めるために、同庁ホームページに公表している。

 今回の見直しの具体的な内容は、(1)照会対象のうち「将来行う予定の取引等」の範囲の明確化、(2)照会文書への記名・押印が、代表者だけでなく担当役員でも可能になったこと、(3)照会者が同業者団体等の場合について、取引等の当事者以外に照会できるものの範囲を拡大、(4)公表される照会内容の記載について、事前に国税当局と相談して照会者自らが照会内容を確認できることを明確化、の4点である。

 (1)は、文書回答の対象には、実際に行われた取引だけでなく、「将来行う予定の取引等」も含まれているが、それは、例えば、「認可申請予定の金融商品など近い将来販売を予定しているものに係る取引」などをいい、個別具体的な資料の提出が可能なものが対象となる。これまでも文書回答の対象だったが、利用者が対象外と誤解していたケースもあったことから、対象範囲を明確化したもの。

 また、(3)は、同業者団体等が照会を行う場合、これまで照会者は国・地方公共団体や業界最上部団体(〇〇中央会等)に限られていたが、照会者の範囲を拡大し、照会の対象となる取引等の当事者ではないが、その取引等と密接な関連を有する業務を行う者も照会可能になる。例えば、地方の商品取引所が自ら開設する商品市場における取引等に係る照会を行う場合のその商品取引所がこれに該当する、と例示している。

 (4)は、照会文書の内容が公表されることへの懸念や抵抗感を和らげるため、事前に国税当局と相談できるようにするもの。なお、2016年4月から2017年3月までの1年間に寄せられた事前照会の件数は132件で、このうち17件に文書回答を行い、その17件全てが国税庁のホームページに掲載。残りの115件については、照会内容が法令等で明らかであることなどを理由に、文書回答は行われなかったという。